作業療法士国家試験問題を在学生が解説
第47回
作業療法士国家試験合格率100%を目指して、私たちが先生の指導のもと
国家試験対策授業で徹底的に分析をしている過去問題の1部を紹介します!
【第47回作業療法(午前)32】
【問】高齢者の住宅改造の際に設置する手すりについて正しいのはどれか。2つ選べ。
- 直径は50mm~55mmとする。
- 石膏ボードの壁には直接取り付けやすい。
- 階段では両端を延長して水平部分を作る。
- 廊下では床から600mmの高さに取り付ける。
- 壁面から手すりの端までは60mm以上空ける。

皆良田紋奈さん
『解答』 | 3.階段では両端を延長して水平部分を作る。 |
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『理由』 | 手すりの直径は32mm~38mmが望ましいとされており、石膏ボードは破損しやすいので、受材を入れたり壁の上に板を渡して、その上からとめたりする必要があります。また、廊下では床から800mm~850mmの高さに取り付けることが望ましいとされています。 |
【第47回作業療法(午前)33】
【問】関節リウマチ患者に対する生活指導で正しいのはどれか。
- 枕は高くする。
- 歩幅は大きくする。
- 手関節は掌屈位を保つ。
- 本は眼の高さに置いて読む。
- 茶碗は指間を拡げて支える。

杉村美保さん
『解答』 | 4.本は眼の高さに置いて読む。 |
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『理由』 | 頸椎(けいつい)への負担を軽減するために、枕は低くします。股関節に負担をかけないように、適度な歩幅で歩くように指導していきます。手関節に局所的な力が加わらないように、物の形状や重量に応じて持ち方を工夫する指導を行っていきます。茶碗は、前腕回内位で手掌に載せるようにして持つように指導します。 |
【第47回専門基礎(午前)93】
【問】糖尿病で最も眼病変が起こりやすい部位はどれか。
- 角膜
- 網膜
- 視神経
- 水晶体
- ぶどう膜

大村麻美さん
『解答』 | 2.網膜 |
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『理由』 | 高血糖が持続すると毛細血管や細小動脈の細胞が障害されます。血管が細ければ細いほど、高血糖による障害がうけやすくなります。また、体内でも特に細い血管をもつ網膜では、糖尿病の合併症が現れやすくなります。 |
【第47回作業療法(午後)29】
【問】片麻痺患者の片手動作訓練の初期に用いる作業として適切なのはどれか。
- 編み物
- 籐細工
- はりこ
- マクラメ
- ビーズのれん

嶋田実季さん
『解答』 | 3.はりこ |
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『理由』 | 片麻痺患者の片手動作訓練においては、難易度についての段階付けが必要となります。編み物、籐細工、マクラメ及びビーズのれんは、工夫により片手での作業は可能となりますが、いずれも攻緻性が必要な作業となり、初期の導入としては適切ではありません。型に和紙等を糊づけするはりこは、導入時には用いやすくなります。 |
【第47回専門基礎(午後)95】
【問】高齢者にみられる加齢に伴う変化で誤っているのはどれか。
- 関節軟骨の変性
- 高音域の聴力低下
- 収縮期血圧の上昇
- 唾液分泌量の増加
- 食塊の消化管通過時間の延長

佐藤瞳さん
『解答』 | 4.唾液分泌量の増加。 |
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『理由』 | 一般に高齢者では、口腔乾燥、唾液分泌量及び胃液分泌量の低下が起こります。また、舌をはじめとする口腔機能の低下や口腔清掃の不良は、誤嚥性肺炎をはじめとする呼吸器感染症の原因となることがあります。 |
【第47回専門基礎(午前)100】
【問】悪性症候群の原因となる可能性が最も高いのはどれか。
- 抗うつ薬
- 抗不安薬
- 気分安定薬
- 抗精神病薬
- 抗てんかん薬

林幸生さん
『解答』 | 4.抗精神病薬 |
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『理由』 | 悪性症候群は、大量の抗精神病薬を用いた場合に起こる症状です。突然の高熱に続き、頻脈、発汗及びよだれ等の自律神経症状や、意識障害、筋硬直及び筋攣縮等を示しています。重篤な場合には、死に至ることもあります。また、血清クレアチンホスキナーゼ値の著明な上昇が起こります。 |
作業療法士国家試験合格率
(2019年3月卒業生実績)
